注染について

職人の手技の温もりを伝える
「注染/本染め」

当工房では「注染(ちゅうせん)」(本染めとも言われます)という染め方を用いて、手ぬぐいを染めています。

「注染」は、生地に「型」をのせ、染めない部分に防染のための「糊」を付け、生地を重ねて染める方法です。

明治時代の後半に大阪で発祥した染色法で、当時としては画期的な大量生産の方法でした。

「注染」は、染料を表と裏の両面から染めるため、染料が布の下側に抜けて芯まで染まり
裏表を気にせずに使用できるのが魅力です。

吸水性、吸湿性にもすぐれ、蒸し暑い日本の気候にぴったりの染物です。

職人による手作業で、1枚ごとに違う風合いや、濃淡を愉しめる独自の趣があります。

使い込むほどに、程よく色が抜けて愛着がわき、唯一無二の「世界に一つの愛用品」になります。

注染手ぬぐいの特徴と
ご理解いただきたいこと

1. 染料について

手ぬぐいを染めるには、「染料」と「顔料」の主に2つの材料があります。

その中でも、注染に使われているのは「染料」です。

「染料」は、繊維そのものに染み込みます。複雑な柄の表現は得意ではありませんが、
手ぬぐいそのものの肌触りや風合いは損なわれません。

「顔料」は、繊維の上に付着します。複雑な柄にも対応できますが、
生地が染料に比べ多少ゴワつき、肌触りが悪く感じる場合があります。

「染料」の場合

「染料」は繊維そのものに染み込む。

「顔料」の場合

「顔料」は、繊維の表面に付着する。

2. 滲みについて

注染は「染料」を生地に染みこませるという製法をとるため、デザインの輪郭が「滲み(にじみ)」やすいのが特徴です。

また、重ねて染めるために、柄の位置にズレが生じ、一枚一枚違った表情になります。

この染めムラが印刷物と違い、注染手ぬぐいの独特な味わいになります。

※両端(ミミ)は、糸の織りが若干厚くなっているため、色が染まりにくい場合があります。

3. 染めの仕上がりについて

同じ色でも、その時々の気候(気温や湿度)により、
染め上がりの色(濃淡や色調)に差が生じることがございます。

再度発注をご検討の際など、あらかじめご了承ください。

4. 色落ち、洗濯について

色落ちについて

注染手ぬぐいは、繊維に結合しきれなかった余分な染料が洗うたびに落ちます。

残念ながら、色落ちは防ぐことはできませんが、2 ~ 3度洗ううちに落ち着いてきます。

その後も、少しずつ色落ちはしますが、使い込んだ良い風合いが生まれます。

  • 使用前
  • 使用後

洗濯について

注染手ぬぐいは、他のものと一緒には洗わず、単体で手洗いしてください。

洗う際は、洗剤やお湯は使わず、水洗いをおすすめしています。

お湯や洗剤を使用した場合、急激な色落ちにつながります。

特に色の濃い手ぬぐいは、水洗いの際に色落ちがしますので、洗面器等への色の付着にお気をつけください。

また、洗剤の種類によっては生地が痛み、破れることがあるので注意が必要です。

どうしても汚れが酷い場合は、中性洗剤を水で薄めて洗い、よくすすいでください。

絞ったあとは、広げて陰干にしましょう。

未使用の注染手ぬぐいは、一度水洗いして、乾かしてからしまうようにしましょう。

長期間放置すると、生地の痛みに繋がります。

※干す場合には、直射日光に当てると退色してしまいますので、ご注意ください。

※洗濯後、濡れたまま他の衣類等に長時間密着させてたり
強くこすると色が移ることがありますので、ご注意ください。


洗濯の様子

5. 両端のほつれについて

手ぬぐいは両端が切りっぱなしになっています。

使い始めはほつれてきますが、フリンジのようになった部分は1cm程度で止まります。

長く出てしまった糸だけ切るようにして、ご使用ください。

手ぬぐいは、切りっぱなしになっていることで
水切れがよく、乾きやすく、そして、汚れやホコリがたまりにくいので衛生的に使うことができます。


  • 手ぬぐいの端(切りっぱなしの様子)

  • 使用後フリンジになった様子

  • 長く出た糸は、ハサミで切る

6. 細かい絵柄の再現について

手捺染やプリント手ぬぐいと異なり、注染では極端に細い線は、かすれや潰れが生じ再現が難しい場合があります。

線の幅は2mm以上でお願いいたします。

ただし、地染柄(ベタ地)に白ヌキの柄の場合は、線幅は1mm程度でも表現が可能です。


  • 細い線がかすれた様子(橋の部分)

  • 白地の2mm程度の線幅

  • 地染柄(ベタ地)に白抜き柄

7. 色と色が隣り合う表現について

注染の製法では、色と色が隣り合う表現の場合、
防染糊で土手をつくり染め上げる兼ね合いから1cm以上の白地の隙間が必要になります。


  • 1cmの白地の隙間

  • 土手を作る様子

  • 土手に染料を流し込む様子

8. 脆化(ぜいか)について

注染に使われている硫化染料には、硫黄成分が含まれています。

染色後に十分な水洗いを心がけておりますが、
染料に含まれる硫黄成分が多少残る場合があります。

生地に残った硫黄成分は、製品をお渡ししたあとも酸化を続け、
生地がやぶれてしまうことがあります。

この現象を「脆化(ぜいか)」と呼びます。

脆化を防ぐために密閉は避けて保存ください。

特に、ポリ袋・ダンボールに入れたままや
箪笥などの密閉された引出しでの保存は、
脆化が起こりやすくなりますので、くれぐれもご注意ください。

※当社では、ポリ袋へ入れての納品はおすすめしておりません。
ご希望の場合はポリ袋へ入れての納品も対応しています。
お見積の際にご相談ください。


風通しの良いところへの保存

注染(本染)の工程

1糊置き

「型紙」を生地の上に乗せ、染めたくない部分に
防染のための糊を付けることにより、
その後の染めの工程で染料をブロックします。

2染め

「糊」で土手をつくり、
その内側に「やかん」とよばれる道具を使い、
手作業で染料を染み込ませます。

3水元

染めた後は、すぐに手作業で全体をほぐします。

その後「糊」を落とすため、
2台の機械を使用し生地の洗浄を行います。

4天日干し

洗いが終わったら、
日光による天日干しを行います。

天候等の状況により室内乾燥の場合もあります。

5仕上げ

手ぬぐいの仕上がりサイズへと折り返します。

ロール加工仕上げを行い、
生地を伸ばして裁断します。

ページ上部へ